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夏こそ気をつけたい!スポーツ飲料の飲み過ぎがお口に与える影響


夏になると気温や湿度が高くなり、熱中症対策としてスポーツ飲料を飲む機会が増えます。スポーツ飲料は汗とともに失われる水分や電解質を補給できるため、炎天下での運動や長時間の屋外作業、発熱や脱水時などには非常に役立つ飲み物です。

しかし一方で、「体に良い飲み物」というイメージから、日常的にスポーツ飲料を飲み続ける習慣がついてしまうと、お口の健康に悪影響を及ぼす可能性があります。

今回は、スポーツ飲料が歯に与える影響と、熱中症を予防しながら歯も守るためのポイントをご紹介します。

スポーツ飲料は本当に体に良い?

スポーツ飲料には、水分だけでなくナトリウムやカリウムなどの電解質が含まれています。これらは大量に汗をかいた際には効率よく補給できるため、熱中症対策として非常に有効です。

しかし、スポーツ飲料は「いつでも飲んでよい飲み物」というわけではありません。

多くのスポーツ飲料には、飲みやすくするために糖分が含まれています。500mLのペットボトル1本には、商品によって差はありますが約20~35g程度の糖分が含まれているものもあります。

これは角砂糖に換算すると、およそ5~9個分にもなります。

また、スポーツ飲料にはクエン酸などの酸味成分も含まれており、糖分と酸の両方がお口の中へ影響を与えます。

糖分が虫歯の原因になる理由

虫歯は、口の中にいる虫歯菌が糖分をエサにして酸を作ることで発生します。

その酸によって歯の表面を覆うエナメル質からカルシウムやリンが溶け出す「脱灰(だっかい)」という現象が起こります。

通常は唾液が酸を中和し、溶け出した成分を歯へ戻す「再石灰化」が行われるため、すぐに虫歯になるわけではありません。

しかし、スポーツ飲料を少しずつ何度も飲んでいると、お口の中が何度も酸性になり、再石灰化が追いつかなくなります。

その結果、虫歯になるリスクが大きく高まります。

特に部活動中や仕事中にペットボトルを持ち歩き、一日中少しずつ飲み続ける習慣は注意が必要です。

酸による「酸蝕症」にも注意

スポーツ飲料は糖分だけでなく酸性度も高いため、「酸蝕症(さんしょくしょう)」の原因にもなります。

酸蝕症とは、細菌ではなく飲食物に含まれる酸によって歯が溶けてしまう病気です。

初期には次のような症状が現れます。

・歯がしみやすくなる
・歯の表面につやがなくなる
・前歯の先端が薄く透けて見える
・歯が丸みを帯びる
・詰め物との境目に段差ができる

進行すると歯が欠けやすくなったり、強い知覚過敏を起こしたりすることがあります。

スポーツ飲料だけでなく、炭酸飲料、エナジードリンク、果汁100%ジュース、酢飲料なども酸蝕症の原因となるため注意しましょう。

夏は唾液が減りやすい

暑い季節は汗を多くかくため、体内の水分が不足すると唾液の分泌量も減少します。

唾液には、

・虫歯菌を洗い流す
・酸を中和する
・歯を再石灰化する
・細菌の増殖を抑える

といった大切な働きがあります。

脱水によって唾液が減ると、虫歯や歯周病のリスクはさらに高くなります。

「口がネバネバする」「乾燥する」と感じたら、軽い脱水が始まっている可能性もあります。

熱中症対策にはスポーツ飲料が必要な場面もあります

ここまでスポーツ飲料のデメリットをご紹介しましたが、「スポーツ飲料は飲んではいけない」ということではありません。

熱中症は命に関わることもあるため、必要な場面では適切に利用することが大切です。

例えば、

・炎天下でのスポーツ
・屋外での長時間作業
・大量の汗をかく運動
・高齢者や子どもの脱水予防
・発熱や下痢などで水分と電解質を失ったとき

このような場合には、水だけでは失われた電解質を十分に補えないことがあります。

そのため、スポーツ飲料は熱中症予防に役立つ飲み物です。

大切なのは「必要な時に、必要な量を飲む」ことです。

日常生活で軽くのどが渇いた程度であれば、水やお茶で十分な場合が多くあります。

ダラダラ飲みを避けましょう

歯にとって最も問題なのは、飲む量だけではなく「飲み方」です。

短時間で飲み切る場合と、何時間もかけて少しずつ飲み続ける場合では、後者のほうが虫歯のリスクは高くなります。

スポーツ飲料を飲む際は、

・必要なタイミングで飲む
・長時間口の中に残さない
・少しずつ何時間も飲み続けない

ことが重要です。

また、飲んだ後に水を一口飲むだけでも、お口の中の糖分や酸を洗い流す効果が期待できます。

飲んだ直後の歯磨きは少し待ちましょう

酸性の飲み物を飲んだ直後は、歯の表面が一時的に柔らかくなっています。

そのタイミングで強く歯磨きをすると、歯の表面を傷つけてしまうことがあります。

スポーツ飲料を飲んだ後は、水で口をすすぐか水を飲み、30分ほど経ってから歯磨きをすると歯への負担を減らせます。

子どもも大人も注意が必要

スポーツ少年団や部活動では、夏場にスポーツ飲料を飲む機会が増えます。

もちろん熱中症予防として必要ですが、毎日のように何本も飲んでいると虫歯のリスクが高まります。

また、大人でもジムでの運動やウォーキング、ゴルフ、屋外での仕事などでスポーツ飲料を頻繁に飲む方は少なくありません。

年齢に関係なく、お口への影響を理解して上手に利用することが大切です。

歯を守りながら熱中症も予防しましょう

夏の健康管理では、熱中症対策とお口の健康の両方を意識することが重要です。

スポーツ飲料は適切に使えば非常に便利な飲み物ですが、糖分や酸が含まれているため、飲み方によっては虫歯や酸蝕症の原因になります。

普段の水分補給は水や麦茶など糖分を含まない飲み物を基本とし、大量に汗をかいた時にはスポーツ飲料を上手に活用しましょう。

そして、ダラダラ飲みを避け、水で口をすすぐ習慣や毎日の丁寧な歯磨き、定期的な歯科検診を続けることで、お口の健康を守ることができます。

暑い日が続きますが、熱中症を予防しながら、歯も健康に保ち、この夏を元気に乗り切りましょう。

当院では、虫歯や歯周病の予防はもちろん、酸蝕症や知覚過敏のご相談も受け付けています。「最近歯がしみる」「スポーツ飲料をよく飲むので心配」という方は、お気軽にご相談ください。定期的なクリーニングと検診で、お口の健康を一緒に守っていきましょう。